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英語版のinstructablesの「Jar Lantern(ガラス瓶のランタン)」を、日本で買える材料で試してみました。材料費は1500円程度です。半日ほどの比較的簡単な工作で、風情のある明かりを灯すことができます。ここでは、オリジナルの記事に「調光」の機能を加えたものを紹介します。

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◼︎紹介動画

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【注意!】

使用する電池の電圧は1.5~3Vですが、蛍光灯にかかる電圧は230~340V程度になります。なので以下では、最初に事故回避の話をします。ただし、これで全ての危険を排除できるわけではありません。 感電の危険には十分注意してください。何らかの事故が生じても責任は負いかねます。

【参考】

もし感電の危険を避けたいのなら、蛍光灯の代わりにLEDを使う「Joule Thief(ジュール・シーフ:エネルギー泥棒) 」の工作を勧めます。 動作の原理はほぼ同様です。灯りの風情は減りますが、感電の危険はほとんどなく、電池も長持ちします。

Step 1: 材料(Arduinoは使いません)

★まず必要なもの

  • 電球型蛍光灯(1個)
  • フラッシュ付きの使い捨てカメラ(1個)

☆追加で準備した方がよいもの(試行用)

  • 1.5Vの単三電池(2個)
  • 単三電池の2本用ホルダ(1個)

◎完成時に用意したいもの(仕上げ用)

  • ふた付きのガラス瓶(1個)
  • スイッチ(1~4個)
  • 単三電池の1本用ホルダ(1~2個)


【解説】

電球型蛍光灯と使い捨てカメラは近くのスーパー・マーケットにあった一番安いやつを買いました。(27枚撮りのフィルムは使い道がなくて勿体ないですが・・・)

カメラに単4電池が1つ入っているので、ミニマムの工作であれば追加の材料は不要です。 ただ必要な部品をカメラから取り出すと、電池の取り付けが不安定になります。また、試行時に電池を2本使うこともあるので、予備の電池と電池ホルダを別途用意した方が良いと思います。

Step 2: 使い捨てカメラの分解(危険!)

フラッシュ付きの使い捨てカメラを分解して必要な部品を取り出します。必要な部品は以下の2つです。

  • フラッシュと一体化した小さな基盤
  • 単4電池(1本)

この作業は感電の危険が伴います。以下の注意書きをよく読んで、全て実行してください。 なお最も重要なのは、主コンデンサの「速やかな放電」と「速やかな取り外し」です。


【最重要】

最初に、本ステップの作業用動画(1) 「富士フィルム『写るんです』の分解」 を必ず見てください!


■作業用動画(1):富士フィルム「写るんです」の分解


■作業用動画(2):必要な基盤と主コンデンサの取り外し


【重要1】

  • カメラの分解時に、ファインダとフラッシュの間に金属棒を差し込む時は十分注意してください
  • カメラのケースを開けたら、まず主コンデンサの両極をショートして放電してください
  • 放電後、直ちに付属の電池を取り外し、主コンデンサを改めて放電してください


【重要2】

  • 作業用動画(1)にある「フラッシュの実験」を行う場合、感電に十分注意してください
  • フラッシュの実験を終えたら、速やかに主コンデンサを取り外してください
  • 主コンデンサを取り外す前に、まず放電させてください
  • 主コンデンサの取り外しは、はんだを融かす必要があります(動画では、はんだは既に取り除いています)

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<注意1>

  • 主コンデンサを取り外しても、基盤のLEDが点灯している時は300V近くの電圧が生じています
  • LEDが点灯している時に不用意に基盤に触れると、この電圧で痺れるような痛みを感じます
  • LEDが点灯している時に基盤を扱う場合、電池のターミナル(金属の板)の部分を持ってください


<注意2>

  • LEDが消えても、サブのコンデンサ(フラッシュの種火用)に電荷が溜まっています
  • これを放電させずに基盤に触れると、不快なショックを味わいます
  • LEDが消えたら、上の「作業用動画(2)」の後半の手続きを踏んで、直ちにこの電荷を放電させてください

Step 3: 蛍光灯の分解(と導線接続)

電球型の蛍光灯を分解します。必要なのは蛍光管の部分だけです

また蛍光管の両端には、それぞれ2本の銅線が付いています。 蛍光管は、これら4本の銅線によって基盤と繋がっています。 これらの銅線は必要なので、蛍光管の根元から折れないように注意して基盤から取り外してください。 (蛍光灯の電気基盤は不要です)

ちなみに、蛍光灯に付いている基盤を使う場合(AC100V)、点灯するには4本の銅線をそれぞれ別々の端子につなぐ必要があります( 詳細は本ステップの作業用動画(3) 「パナソニック『パルックボール』の動作確認」 を参照)。

これに対し、英語版のオリジナル記事では、蛍光管の各端から伸びる2本の銅線をねじってひとまとめにしています。 私が使った蛍光灯の場合、各端の2本を接触させる必要はなく、どちらか1本を残せば蛍光管は点灯しました

しかし、ここはオリジナルの記事に敬意を表し、各端の2本の銅線をねじってひとまとめにした上で、適当な長さの導線をこれにはんだ付けします。 なお、このねじりやはんだ付けは、仕上げの段階で行えばよいので、このステップで実施しなくても構いません

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<注意>

  • 蛍光管は薄いガラス製なので、割らないように注意してください
  • 蛍光管には水銀が封入されています
  • 封入は微量ですが水銀は有害です
  • 不注意で蛍光管を割った場合、粉じん等を吸いこまないように注意して落ち着いて(手袋などをして)破片を拾ってください


■作業用動画(3):パナソニック「パルックボール」の動作確認

<考察>

電球型蛍光灯の本来の使い方(AC100V)だと、蛍光管の両極にかかる電圧は90V未満です。一方、使い捨てカメラのフラッシュ基盤を使うと300V近くの電圧が生じます。もし、後者の電圧で予熱なく発光開始できるとしたら、各端1本の銅線で済むのも納得できます(webで調べたら、各端に2本の導線があるのは予熱用とのこと)。

あと蛍光管の内部ですが、真空に近い低圧(1/100気圧ほど)で微量の水銀が気化しているそうです。したがって蛍光管を割ると、この微量の水銀は速やかに凝固して多数の微粒子として空気中を降下もしくは浮遊するように思います。うっかり割ってしまった場合、あまり神経質にならずに(※)、むしろガラスによるケガに注意した方が良い気がします。実際に落として1個割ってしまった感想です。

(※)使用する蛍光管の大きさ(体積)、内部の圧力(真空に近いということは密度が低いということです)、気化状態ということから考えて、封入されている水銀の量は確かに極めて微量だと思います。

Step 4: 点灯の試行

使い捨てカメラから取り出した基盤と単4電池(1本)を使って蛍光管を点灯します。ここでは最もノーマルな方法で点灯を試みます。感電の危険を避けるため、まず「解説」を読んでから、具体的な手順を実行してください。


【解説】

使い捨てカメラの基盤には、充電用のスイッチ放電用のスイッチが付いています(上の写真参照)。 充電のスイッチをONにすると、基盤のLEDが点灯して300V近くの電圧が生じます。 「ステップ1」の「注意1」を良く確認してください

またこの後の作業では、この充電スイッチに代えて、電池の出し入れ、もしくは配線の付け外しによってON/OFFを制御します。 このため、充電スイッチの部分をはんだ付けして常時通電状態にします。

また小さくて見難いですが、このスイッチは、ベース電流とサブ・コンデンサの連動スイッチになっています。 ここでは、2つまとめてはんだ付けしてください(上の写真参照:比較的大きなはんだのスポットができるはずです)。

なお以下では、基盤の回路図として次の2つのサイトを随時参照します(前者のサイトでは連動スイッチの片方が省略されています)。

これらの回路図を見ると、カメラのフラッシュの主コンデンサは、トランス(T1)の2次コイル(※)によって高圧な状態に充電されます。なので、このコイルの両端を蛍光灯の両端に繋ぐのが最も自然だと思われます。

(※)参考サイト(1)ではL3のコイル。同(2)では#2と#6につながるコイル。


【作業手順】

  • 付属の単4電池を基盤に直接取り付け(※)、外れないようにテープ等で固定する(※下の作業用動画(4)ではワイヤで接続しています)
  • 電池のプラス側に接する金属版と蛍光管の一端から出た銅線(※)をワイヤ(導線)でつなぐ(※2本の銅線の1本だけでも良いし、2本ねじってひとまとめにしても良い。以下同)
  • 基盤上の黒いダイオード(トランジスタの隣)のアノード側(白くない方)の端子と、蛍光管のもう片方の端子をワイヤ(導線)でつなぐ


【作業結果】

上記の作業で配線を済ませても、蛍光管は点灯しませんでした。ただ、蛍光管の根元の近くを指で触ると、部分的に仄かに明るくなります。これらの結果は本ステップの作業用動画(4)「配線と明るさ」0:03~0:45を参照してください。中学の陰極線の実験を思い出すかもしれません。


■作業用動画(4):配線と明るさ

Step 5: 電池の追加(参考実験)

前のステップでは、蛍光管は自力で光るとができませんでした。そこで電池をもう1本用意して、2つの電池を直列にして(3V)基盤の電池用端子にワイヤ(導線)で繋いでみます。

なお、このステップの作業を行うには、電池ケースが別途必要です。なので特に興味がなければ、本ステップを跳ばして次のステップ6に進んでも構いません。


【作業結果】

実際に電池2本を直列にして繋いでみると、自力で部分的に明るくなるのが確認できました。 そして蛍光管の上部を指で触ると、全体が点灯しました。詳細は、「ステップ4」の作業用動画(4) 「配線と明るさ」 0:45~1:55を参照してください。

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<参考>

直列につなぐ電池の数を3(~4)本に増やしたところ、蛍光管につなぐ端子を、黒いダイオード(トランジスタの隣)のアノード側(白くない方)からカソード側に代えても発光が確認できました(電池と基盤は30cmほどのワイヤ2本で接続)。ただし輝度は低くなります。なお電池の数を(4~)5本以上に増やすことはお勧めしません(回路が焼けます)。

Step 6: 基盤の配線変更

英語版のオリジナルの記事と異なり、ここで用意した材料では蛍光管は上手く光りませんでした(ステップ4~5参照)。このため、使用するカメラの基盤の配線を一部変更します。

変更するのは、トランジスタのベースにつながる2つの抵抗(100Ωと15kΩ)の内、抵抗値の大きい方(15kΩ※)の無効化です。具体的にはこの抵抗の両端を、マイナス・ドライバ等を使ってショートさせます

(※)ステップ4の参考サイト(1)の回路図のR2。


【作業手順】

  • ステップ4の配線を行う
  • なお、本ステップでは単4電池を基盤の取り付け金具に必ず直接繋ぐこと! ワイヤで繋ぐと上手くいきません(ステップ8参照)
  • 基盤上の大きい方のトランス(T1)を挟んでトランジスタと反対側に位置する抵抗を確認する(上の写真参照)
  • 基盤を裏返すと、この抵抗の両端が、充電スイッチの金属板の折り返し部分の真下にあることが分かる(上の写真参照)
  • 大きめのマイナス・ドライバの先を使ってこの両端をショートさせる


【作業結果】

上手くショートできると、蛍光管全体が比較的明るく自力で点灯します。詳細は「ステップ4」の作業用動画(4) 「配線と明るさ」 の2:45~2:58を参照してください(動画ではクリップを使ってショートしています)。満充電したエネループ1本で5時間ほど連続点灯します。 なお、この配線変更は下記の動画を参考しました。

Step 7: 調光

前ステップでは、トランジスタのベースにつながる抵抗の1つを無効化する(マイナス・ドライバ等を使って両端をショートする)ことで、蛍光管がより明るく光ることを確認しました。ではそこで、ショートさせているドライバを離すとどうなるでしょうか?

電池が十分フレッシュであれば、蛍光管は消灯せず、輝度を落として点灯し続けることが確認できると思います(※)。ここでは、基盤の接続を少しいじって、蛍光管の輝度を順次変化させます。

(※もし点灯が続かず消灯してしまう場合でも、電池がフレッシュであれば、後述の手順の(4)でこの変化を確認できます)


【作業手順】

(1)抵抗(R2)の両端をショートして無効化する

(2)そのまま基盤から延びる放電用のスイッチ(2本の細い金属片)をつなぐ(※)

  (※素手で触ると感電します。手元が絶縁されたクリップやラジオ・ペンチ等を使ってください)

(3)抵抗(R2)のショートを外して有効化する

(4)放電用のスイッチを離す


【作業結果】

(1)抵抗(R2)の両端をショートして無効化する・・・蛍光管は明るく光る(High)

(2)そのまま基盤から延びる放電用のスイッチをつなぐ・・・明るさは変わらない(High)

(3)抵抗(R2)のショートを外して有効化する・・・輝度が落ちる(Mid)

(4)放電用のスイッチを離す・・・輝度はさらに落ちる(Low:電池が消耗していると消灯する)

これらの作業結果内、(1)と(4)の切り替えは、「ステップ4」の作業用動画(4) 「配線と明るさ」2:59~3:14を参照してください(動画では放電用のスイッチはOFFのままです)。


<補足>

前ステップで紹介した参考動画では、電池のプラス側の金属版の代わりに、抵抗(R2)の一端(R2を無効化しているのでトランスT1のコイルL2の一端と等価)を蛍光管につないでいます。この方が、上記(4)の輝度が僅かに上がる気がします。

Step 8: 問題点の確認

ステップ6では、ベースにつながる抵抗の一部を無効化することで、蛍光管を比較的明るく灯すことができました。そこで、使用する単4電池(1本)を基盤の金具に直接取り付けるのではなく、30cm程度の導線(2本)を介して繋いでみます。

作業の手順と結果は、「ステップ4」の作業用動画(4) 「配線と明るさ」 3:15~を参照してください。これによると、ワイヤを介して電池を接続すると、蛍光管の輝度が極端に下がることが分かります。

電池から流れる電流はかなり大きい(0.5A程度)ので、導線の小さな抵抗(1Ω程度)でも大きなロス(電圧降下)が生じるようです。 したがって、ステップ6~7の方法で蛍光管を点灯する場合、電池と基盤をなるべく短く結ぶことが重要になります。

Step 9: 代替的な配線

前ステップでは、電池側の抵抗を減らすことの重要性を確認しました。では電池の数を2本に増やして、この抵抗による電圧降下を補償するとどうなるでしょうか。

既にステップ5で見たように、ノーマルな配線のまま、単に電池を2本を直列に増やしても、蛍光管の輝度は十分上昇しせん。そこで、この状態(ノーマルな配線で電池2本をワイヤを介して接続)でステップ6の抵抗無効化(ショート)を試したところ、輝度は少し上がりました。ただし、電池1本を直結するケースには及びませんでした。

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【改善策】

これに対し、ステップ7の最後に述べた「補足」の要領で、電池のプラス側の金属版の代わりに、先に無効化を試した抵抗(R2)の一端(充電スイッチ側、ただしR2は無効化しない)を蛍光管につないだところ(上の写真参照)、蛍光管はステップ6と同程度の明るさになりました。具体的な結果は、「ステップ4」の作業用動画(4) 「配線と明るさ」 の2:00~2:47を参照してください(※)。

(※)参考動画では、初めに電池2本のケースを紹介し、その後で電池の数を減らしています。

なおこの配線では、ステップ6で行った一部抵抗(R2)の無効化を行わなくても蛍光管は明るく光ります 。電池の数が増えるので、取り付けスペースは大きくなりますが、基盤上の変更を減らせる上、蛍光管の稼働時間を延ばすこともできます(電池の接続は直列です※)。

(※)満充電したエネループ2本を使ったところ連続7時間ほど点灯しました。ただし、ステップ7ほどの調光の自由度はなくなります。

【注意】

上記の「改善策」では、電池と基盤を30cmほどのワイヤで接続しています。電池と基盤をつなぐワイヤを短くして抵抗R2を無効化すると蛍光管の輝度はさらに増えました。しかし、その後基盤の部品が焼けてしまいました(トランジスタもしくはトランス、見た目に変わりないですがたぶん前者だと思います)。

この配線では少なくとも1Ω以上の抵抗(定格1W超)を電池と直列に入れる必要があります。また、この配線で連続点灯する時は、部品の過熱を随時確認してください。

Step 10: 仕上げ

ステップ6~9では幾つかの代替的な配線を紹介しました。これらのパフォーマンスを確認して、最終的な配線方法を決めたら、「照明器具」に仕上げます。アプローチは大きく2つあります。

  • 蛍光管を下につりさげる「ランタン型」
  • 蛍光管を上に向けて置く「スタンド型」

英語版のオリジナルの記事は「ランタン型」です。同記事のランタンは調光機能がないので、スイッチ1個をケース(瓶)の外側に付けて照明をON/OFFしています。

私は、ステップ7の調光機能に加えて、ステップ6とステップ9の2つの方法も併せて選択できる配線を選択しました(下の動画参照)。 なので、スイッチは4つ使いました。また、全ての材料を瓶の蓋の内側に取り付けました。 これにより、ランタン型/スタンド型のいずれも選択でき、さらに日常生活防水も完全になりました。

■調光のデモ動画

実際に使ってみた感想ですが、一人でリラックスするには、ステップ7の(3)のMidの明るさ(上の動画の「■■□□□」)が一番良い感じです。また同(2)のHighの明るさ(同「■■■□□」)であれば、小人数でのんびり話をする分には問題ないと思います。これらの明るさで良いのなら、電池は1本、スイッチは2つで済みます。

なおこれら2つの明るさを上手く選べば、単三電池(満充電したエネループ)1本で一晩以上使えます。Midの明るさの状態で電池切れになっても、より明るいHighに切り代えれば同じ電池を引き続き使用できます。Mid(10時間以上)→High(2時間以上)の切り替えで約12時間以上使えます。

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