Introduction: ミニビーストを卓上ペットにする

Picture of ミニビーストを卓上ペットにする

日本語版(暫定)による英語版*の案内(* Training Theo Jansen's Mini BEEST)

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学研の「大人の科学(#30)」のミニビーストを段階的に改造して、最終的に指先の動きや音声だけで自由に動かします。一連の内容をまず英語版で公開しました

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【紹介動画(簡略)】オリジナルの紹介動画はこちら

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この英語版をGoogleのブラウザの「Chrome(クローム)」で開いて日本語に翻訳すると(*1)、実用的にはほぼ問題ない日本語で読むことができます。またGoogle翻訳を利用できるなら、他のブラウザでもほぼ同じ翻訳が可能です。

斯様な事情で日本語版の作成は中断中でこの暫定版です。なお、ステップ2~7で使用した部品は最後のステップ11にまとめて紹介しています。

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(*1)英語版を開いて、適当な場所を右クリックして「日本語に翻訳(T)」を選択します。たぶんGoogle翻訳だと思いますが、FirefoxのGoogle翻訳とは微妙に異なりました。

(*) The English translation was published in Instructables also.
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Step 1: テオ・ヤンセンとミニビースト

Picture of テオ・ヤンセンとミニビースト

オランダの芸術家テオ・ヤンセンは、Delft工科大学で物理学を学んだ後、同国の海浜近くに工房を構え、ストランド・ビースト」と名付けた一連の巨大作品を作り続けています。これらのビーストはいずれも黄色のプラスチック・パイプの骨格を持ち、屋外で風を受けて動きます。

2011年に発売された学研の「大人の科学(第30巻)」は彼の特集号であり、テオ・ヤンセンのミニビースト」という小型のキットが付録に付いています。この特集号は在庫切れの時期もありましたが、2017年の現在は書店で購入可能です。またこのキットは、テオ・ヤンセンのサイトでも「mini STRANDBEEST」の名で販売されており、海外でも購入可能です。

この学研の特集号は、テオ・ヤンセンという作家と彼の作品群をいろいろな角度から解説しており、大変興味深い内容です。その中のインタビューで、彼は自分が作ったビーストたちが自然の中で自由に動き回るのが夢だと述べています。しかし学研のミニビーストを前にすると、むしろ逆方向の構想を持つ人が多いのではないでしょうか。

そこでここでは、テオ・ヤンセンの夢とは逆に、ミニビーストをペット化して、卓上を我々の指示に従って動き回るよう段階的に改造します。また、テオ・ヤンセンに敬意を評し、ロボットとしてではなくプラスチックの骨格を持つ生き物として扱うことにします。

Step 2: ミニビースト(うちわで動かす)

Picture of ミニビースト(うちわで動かす)

    学研の「テオ・ヤンセンのミニビースト」を入手して、同封の説明書にそってキットを組み立てます。ここではまず、ノーマルな手順で作ったミニビーストを2つの方法で歩かせて、その仕組みを体感します。

    • 指で直接つまんで歩かせる
    • 付属の棒を繋いで歩かせる

    次に付属の風車を取り付けて、風を送って歩かせます。息を吹きかけたり、団扇で煽いだりして風車を回すと、ミニビーストはゆっくり前進します。ただ、1m歩かせるだけでも結構大変だと思います。

    【動画2: 説明書を見てミニビーストを歩かせる】

    Step 3: 疾走ビースト(電池で動かす)

    Picture of 疾走ビースト(電池で動かす)

    ミニビーストを団扇で煽いで歩かせるのは結構大変です。小さなモータと電池を使えば、人力を使わずにミニビーストを走らせることができます。ここでは今後の発展も考えて、2個のモータと「ダブル・ギアボックス」を素のミニビーストに取り付けます。

    【動画3: 電池とモータでミニビーストを走らせる】

    まず風車を取り外します。次にミニビーストの中央連結を外して左右2つのブロックに分割します。ギアボックスはこの2つのブロックの間に取り付けるので、キットに同梱されている連結用の2本の金属棒では長さが足りません。このため、もっと長い金属棒を3本用意します。

    3本の内の2本は、分割前と同じ箇所(下側の2軸)を通します。残りの1本は風車の取り付けに使った頂上の軸を通します。これにより、ビーストの剛性が補強されます。

    これらの金属棒は、ギアボックスの取り付け部分ではむき出しになるので、この部分をカバーするプラスチックのパイプを3本用意します。ビーストのブロック連結は最終的に頂上部に輪ゴムを張って固定するのですが、頂上の軸を通る金属棒をパイプでカバーしないと、輪ゴムの張力でビーストの躯体がかなりたわみます。このたわみを防ぐには、丁度良い長さのパイプでこの部分を完全にカバーする必要があります

    続いて、ギアボックスのシャフト(細い)をビーストの中央連結部(太い)に取り付ける方法を考えます。ただし、ビーストの躯体に傷や汚れを付けたくありません。このため両者を無理なく繋ぎつつ、ギアボックスのシャフトの回転をビーストに無駄なく伝えることができるアダプタを用意します

    こうしたアダプタの作例は上の写真で確認できます。この写真のアダプタを作るには、まず直径の異なる2本のプラスチックパイプを適当な長さに切って入れ子状にします。そして、シャフトおよび内側のパイプにセロハンテープを適量巻きつけて隙間を完全に埋めて、シャフトの回転力が無駄なく外側のパイプに伝わるようにします。

    このアダプタを2つ用意できたら、これ等をギアボックスのシャフトに取り付けてビーストの中央連結部分に繋ぎます。そしてビーストの下側の2本の金属棒の上にギアボックスを乗せて輪ゴムで固定します。なお、ここではギアボックスの減速比は114.7:1にしました。あとはギアボックスの2つのモータに3V程度の電池をつなげばビーストは疾走し、我々は団扇を手放すことができます。

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    Step 4: ダンシング・ビースト(Arduinoで動かす)

    Picture of ダンシング・ビースト(Arduinoで動かす)

    前のステップではミニビーストにギアボックスを取り付けて、電動モータで走らせました。ここでは、この電動ビーストに頭脳を与えてちょっと複雑なステップを踏ませます。

    使用するのは定番のArduinoの小型モデルNANOの同等品です(ネットショップで400円弱で買いました)。これに加えて、Arduino用の9V電池と2つのモータを同時に制御できるモータードライバーIC(L298N)を用意します。なお前ステップで使ったモータ駆動用の電池(※)はここでも引き続き使います。

    (※)ここでは小さな充電式のリポ電池(1セル:3.7V)を使いました。最終ステージでは、このリポ電池が3つのLEDに電力を供給します。

    【動画4:ArduinoでBEESTにステップを踏ませる】

    ダンス用のサンプルコードは下の添付ファイルを参照してください。また配線は、上のピン接続図とサンプルコードのコメント部分を参照してください。

    Step 5: ビーストの運動会(リモコンで動かす)

    Picture of ビーストの運動会(リモコンで動かす)

    一つ前のステップでは、モータ駆動のビーストにArduino NANO(マイクロコントローラ)を付けました。これにより、ビーストは様々なステップを踏むことができます。しかし、このダンスは事前にプログラムされたものであり、途中でステップを変更することはできません。

    [ビデオ5a:赤外線リモコンを使ったミニビーストの訓練]

    ビーストの主人としては、リアルタイムでビーストに様々なステップを踏ませたいところです。自宅にある赤外線(IR)リモコンを使えば、ビーストにアルタイムで指示することが可能です。ただ、自宅のテレビやエアコンも同時に動いてしまっては困ります。幸い、受信機付きの小さなリモコンがウェブショップで安価に販売されています(私が買った時は1セット140円でした)。

    [ビデオ5b:ミニビーストの運動会]

    上の動画はミニビーストの卓上運動会です。ただ、赤外線リモコン(*)の信号分析は長い説明が必要ですし、次のステップからはリモコンを使用しません。なのでこの話はここまでとして、サンプルスケッチは付けずに次に進むことにします。

    (*)モータが回転すると、その電気的なノイズが赤外線リモコンの受信機に悪影響を与えます。このノイズを抑えるため、モータに0.1uFのコンデンサを取り付けます(上記の右下の図を参照してください)。

    Step 6: ペット・ビースト(絆で動かす)(1)

    Picture of ペット・ビースト(絆で動かす)(1)
    • 特別な機器を使わない
    • 3つの目を与える
    • 4種類の指の動きだけで多様なステップを踏ませる

    Step 7: ペット・ビースト(絆で動かす)(2)

    Picture of ペット・ビースト(絆で動かす)(2)
    • コミュニケーション用のLEDを追加する
    • フィードバックを確認しながら卓上で遊ばせる
    • 予想外にかわいい

    Step 8: 番外(1)おしゃべりビースト

    Picture of 番外(1)おしゃべりビースト
    • コミュニケーションLEDをOLEDモニタに変更
    • 表情と科白をつける
    • リアルタイムの数値情報フィードバック
    • 明るい場所では赤外線LEDを点けずに操る

    Step 9: 番外(2)耳を澄ますビースト

    Picture of 番外(2)耳を澄ますビースト
    • ビーストに耳を付ける
    • 声や音でビーストを操る
    • ノイズのフィルタリングが重要

    Step 10: 番外(3)太陽光で動く正常進化ビースト

    Picture of 番外(3)太陽光で動く正常進化ビースト
    • テオ・ヤンセンの夢:ビーストの野生化
    • その方針に沿った進化を考える
    • ソーラーパネルを付けて野外に放つ

    Step 11: 材料

    Picture of 材料

    ステップ2~7で使う部品のリストです。なお、ミニビーストのキットについてはStep1、番外のステップ8〜10で使用する部品については当該ステップを参照してください。

    [ステップ2]

    • ミニビーストまたはmini STRANDBEESTのキット

    [ステップ3]

    • ダブルギアボックス(DCモーター2個入り、ギア比は114.7:1を選択)
    • セロハンテープ
    • アダプタ用の太いプラスチック・パイプ(内径6-7mm)
    • アダプタ用の細いプラスチック・パイプ(内径3-4mm)*
    • スチール・ロッド(直径2mm、長さ1000mm)
    • 小型のブレッドボード
    • バッテリー(3-4V、ここでは1セルのリポ・バッテリを使用)
    • 輪ゴム(数本)

    (*)この細いプラスチック・パイプを太いパイプに挿入してアダプタを作ります。また、この細いパイプは、上記のスチール・ロッドのカバーや最終段階の眼ユニットの取り付けにも使用できます。

    [ステップ4]

    • Arduino NANO
    • モータードライバIC(ここではL298Nを使用)
    • 6Pバッテリー(9V)
    • ジャンパー線またはピン(数本)

    [ステップ5]

    • 赤外線リモートとその受信機

    [ステップ6-7]

    • 赤外線フォトトランジスタ(3個、ここはOP505Aを使用)
    • 赤外線LED(3個、ここではSFH4554DWEWを使用)
    • 細い竹の棒(7本、直径2mm、長さ100-150mm)
    • プラスチック・パイプ(内径3mm)
    • 輪ゴム(4本)

    [ビデオ11:卓上の散歩と訓練(やや暗い場所と明るい場所)]

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