Introduction: 家族の愛たっぷりの時計

家族の愛タップリの時計です。市販のムーブメントを利用し、子供がデザインした時計を作ります。

Step 1: 準備

今回の製作で最も重要なデザインから入りましょう。

まず、子供には十二分説明すること。今回、子供に十分説明をしたつもりでしたが、やはりそんな説明とは関係なく絵を描いてくれました。

ハートの中に家族3名が入っているスケッチで、それなりにうまくできていますが、時計をデザインするより絵を描くことに集中されたんですね。時計なので基本的に真中に穴を開く必要がありますが、その場所がちょうど子供の首周り。

子供に相談していくつかの案を考えました。結果的には、このスケッチはそのままにして時計の部分を横に追加する、思ってもなかった形状になってしまいました。

他に準備するものは、時計のムーブメントや針など。東急ハンズにも売ってますし、ウェブでも購入できます。電波時計のムーブメントもありましたが、特に正確な時計を目指していることではなかったので、1,000円以下の安いものをウェブで注文。実は以前電波時計を購入したことがありますが、置く場所によっては電波を受けられないことがありました。電波時計のムーブメントは3,000円前後で少々高価なのでリスクもさらに高いですので、あまりおすすめしません。

しかし作ってから分かったのは、今回購入したムーブメントは音が大きく少しうるさい。人によっては気になる方もいると思いますので、事前にそのあたりの確認ができればいいと思います。

Step 2: スケッチのスキャンと修正

子供に描いてもらったスケッチはスキャンして、Autodesk Pixlr Editorのようなグラフィックスソフトウェアで修正します。Pixlr Editorは、PhotoshopライクなUIと機能性を持っているのでPhotoshopに近い無償のツールを探している方にはピッタリ!またブラウザで動くのでインストールがいらないというのが特徴です。

スキャンしたイメージの隅々までを全部修正する必要はなく、いらない部分だけを消しておきます。スキャン時に発生するノイズは大きいなものだけを消して残りは残しても大丈夫です。

Step 3: Inkscapeでスケッチをベクターに変換

レーザーカッターではラスターのイメージでもベクターでも全部扱えるので、この作業は必ず必要な手順ではありません。スキャンしたイメージに残っているノイズが気になる、または白黒の2色にくっきる分けたい場合は、ベクター化することをお勧めします。

まず、Inkscapeを起動し、ファイル > インポートでスキャンしたイメージを読み込みます。

パス > ビットマップをトレース を選択すると新たなウィンドウが現れます。OKボタンを選択すると、読み込んだイメージが白黒に単純化され、黒の部分がベクターになります。

Step 4: 時計の形状と小部品のデザイン

スケッチの横に時計のデザインをします。

作業は全てInkscapeでやります。文字盤の数字を子供に書いてもらうつもりだったんですが、忘れてしまったため、持っているフォントの中でもっとも手書きと近いものを使いました。ここで注意しないといけないので、後でこれをInkscapeのデータを別のソフトウェアやコンピュターにもっていくためには、テキストをパスに変換しないといけません。それは、パス > オブジェクトをパスへ でできます。

時計の文字盤、形状、また、穴をデザインします。穴は購入したムーブメントを計って作ります。スタンドの役割をする小部品を作成します。

ここではシンプルに2つの部品で作成しています。最後の組立のステップの写真をみれば簡単に理解できます。

Step 5: レーザーカット

今回は、ムーブメントの本体から針をつける部分が10mmぐらいあったので、9mmのMDFを購入しました。厚い材料をカットするには、レーザーカッターのスピードを落とす必要があり、結果的にカット面が真黒になりますので、後でサンディングなどを後処理を行う必要があります。


Step 6: サンディング

レーザーで焼かれたカット面が気になる場合はサンディングをしました。サンディングで臭いも軽減されますが、何よりも見た目がきれいになります。

サンディングペーパーは、安い紙のものでも結構です。カット面の状態にもよりますが、真黒の場合は、#100ぐらいで荒く初めて、#200ぐらいで仕上げます。表面もそんなに細かいものではなくても#200ぐらいで結構きれいに仕上がります。

サンディングを効果的に行うためには、サンディングペーパーを何かのブロック形状に巻いて使います。できるだけ水平を保つ状態でやった方がいいでしょう。

Step 7: 組立

組立は簡単です。後ろのスタンド部分は、まずサポーター部品をのり付けして本体にくっつけます。その後、足の部分をサポーター部品の穴に入れるだけです。

ムーブメントの取り付けは製品に同封されている説明書に沿ってやります。

Step 8: 完成

これで完成です!

家族の愛だっぷりの時計の出来上がりです。